思いの事実 罪としての事実

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そうして、蛇の手足はすっかり焼け落ちてしまいました。 天使は未だに唸る蛇を見てから何処かへと去っていきました。 残された蛇。 手足を失った更に惨めな姿で蛇は啜り泣きました。 「どうしてですか。僕は貴方様を思ってのこと…僕は貴方様を愛しているのに…」 小さく小さくか細い言葉は誰にも届くことはありません。 蛇はただ言葉は紡ぎながら神様への思いを零し続けました。 蛇は知恵を得ました。 しかし、それは人間が未来に続く為の一つの『悪の役割』だったのです。 偶然にも初めに知恵の実を食べたが故に負ってしまった『役割』。
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