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闇雲に探しても見つからないか。 無用心に探したからだろう、俺の手や腕は傷だらけになった。 不味い。 破傷風になるかもしれない。 急がないと。 松明を振り回していると、壁が反射した。 壁は全て煉瓦作り。 疑問に思って近づいてみると、大分風化したからだろう、煉瓦の一つが、外れていた。 そしてその奥に見える、金属の板。 これは? 取り敢えず他の瓦礫を取り除かないと分からないな。 そう思ってナイフを取り出した時、扉の方から何かがぶつかるような音がした。 どうやら、《番人》が扉の前まで来たらしい。 断続的に叩かれる音がする。 扉を開こうとしているようだが、生憎、その前には、積み上げられた宝の山がある。
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