希望なき誘い
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「ふりせむし」は昔、盲人競技を遠くから見た事があったらしい。 大勢の観客に囲まれて、殆んど見えなかったらしいが、競技が終わった後の盲人達は、皆血まみれで、歩く事も出来ない有様だったと言う。 「ふりせむし」は自分が選んだ芝居が、盲人でなかった事を心底幸せに思っていた。 奴と違って俺は正真正銘の盲人だから、選択の余地は全く無かった。
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