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「……君には親御さんが居ないから…、
この場合、辛くても…、君本人に言うしかないんだが…」
源一郎のその表情に、都は怖さの余り…、つい陽子の手を掴んでいた。
陽子もそれに応えるように、都の手をしっかりと握る。
「……君は…、白血病だ。
今のままだと、命の危険もある。
ましてや出産など、無理だ…」
都の頭は、真っ白になった。
目の前が、真っ暗になった。
夢見た幸せが…、一瞬で崩れた。
「……私…、死ぬんですか…?」
やっとの思いでそう聞いた都に、源一郎は苦渋の表情をした。
「……治療次第だと思う。ただ…
それにはまず、子供を堕胎して治療に挑まなければ…」
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