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部屋に戻るなり、都はその場に泣き崩れた。
頭の中が混乱し過ぎていた。
……私は…、そんなに悪い事をしたのだろうか。
ただ、幸せになりたくて。
一生懸命生きてきただけなのに。
やっと、孤独から抜け出して…、
幸せになれると思ったのに…!
ひとしきり泣いた後…、
都はボンヤリと、源一郎に言った言葉を思い出していた。
「……昇悟君と、…別れます。
昇悟君には、病気の事は言わないで…、私が流産した事にして下さい。
それを理由に、別れます…」
……何故…、咄嗟にあんな言葉が出たのだろう。
だけど、それが昇悟君の為。
私が昇悟君に出来る事は…、
それしかないのだから。
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