一番の幸せ

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あの時のオムライスの味を、今でも鮮明に憶えている。 何て事ない、普通のオムライスだったけど…、 きっと色んな“ 想い ”というスパイスが、あんなにも美味く感じさせたんだと思う。 小さい丸いケーキに15本、ローソクを立てて、昇悟は火を吹き消した。 「……誕生日、おめでと…」 都は柔らかく微笑んで…、少し躊躇いがちに、小さな包みを差し出した。 「……そんなに高いものじゃないんだけど…」 「 俺に?…嬉しいな、ありがと 」 顔を緩めながら包みを開ける。 すると中から、とあるスポーツメーカーのカッコいいシャーペンと、御守りが出てきた。
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