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「 須藤さん、ナース室に電話が 」
「 ああ…、はい。…都ちゃん、ちょっと待っててね 」
陽子が病室を出た後、都は起き上がってベッドから降りた。
取りあえず、ここを出ないと…。
そんな衝動に駆られ、都はそっと病室を抜け出した。
……これからどうしよう…、どうしたら…。
不安な気持ちを抱えたまま弁当屋に戻ると、おばさんが心配そうな顔で都を出迎えた。
「 都ちゃん、倒れたんだって?
もう大丈夫なの?」
病院から連絡があったようだが、妊娠の事は聞いてないようだ。
「……うん。ごめんなさい…」
「 店はいいから、早く休みな?」
都は頷いて、二階に上がった。
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