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「……もちろん、俺は本気だよ。
この冷めた家を出て、働いて…、
都と子供と、あたたかい家庭を作るんだ…」
「 お前はまだ中学生だろうが!
何、馬鹿な事を言ってるんだ!
頭を冷やせ!」
昇悟はようやく起き上がり、小さく笑った。
「……頭だけじゃない…。
俺の何もかもが…、最初っから冷えきってる。
こんな環境で、グレなかったのが不思議なくらいだ…」
源一郎の顔が苦痛に歪む。
確かに、そうかも知れない。
昇悟をこんな過酷な環境に置いたのは、他の誰でもなく…、
自分なのだから。
「……お前には…、辛い思いをさせたと思っている。
だが、これは認められない…」
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