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陽子に連れられ、都は院長室に入った。
(……やっぱり…)
都は、全身に震えが来るのを必死で抑えようとしていた。
何を言われるのか…、怖くて堪らない。
昇悟に傍に居て欲しかった。
「……今の君の身体の状態では、子供は諦めるしかない…」
源一郎の言葉は、都を更に震えさせた。
「……あの…、どういう…」
「 今朝、君の血液検査の結果が出たんだが…、
とてもじゃないが、出産出来るような身体じゃない…」
やはり、子供を産ませる訳にはいかないんだと思った。
「……昇悟君の子供だから…、堕ろせ、って事ですか…?」
「 そうじゃないのよ!」
陽子は、そう言って都の顔を覗き込んだ。
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