自暴自棄の梅雨

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梅雨になった。 6/8にゲームと携帯を没収されて僕は唯唯途方に暮れるだけだった。 その二日後の10日には雨に我が身を晒した。最初はなるべく濡れないように家路を急いだ。しかし、不思議な事に諦めの感情が介入し、あたかも天気が晴であるかのように歩いた。心地よかった。雨は僕の気持ちに同調していた。冷たく、そして穏やかに。 その時、僕はぼそぼそと独り言を諸々吐いたものだ。その時傘をさす理由が分からなかったし、何故僕が無闇に携帯に没頭するという愚行を行った理由も分からなかった。テスト勉強を怠った理由だけだった。 その週のうちに生徒会立候補まで決意してしまった。 勉強の仕方も分からず、成績不振に陥り、終いには学友と待ち合わせるまでボーッと立って思案するまでに至った。 学友から、「おい、黄昏ているぞ」と声がして我に返る。そこからしょうもない世間話が展開される。これが梅雨時の朝のパターンだった。 それから毎朝のように罵倒された。 勉強をがむしゃらにやり、ピアノはろくに練習せず、いいことがあるとはあまり感じられなかった。あったとしてもせいぜい統一漢字テストで高得点を取った程度だ。 何かと無駄に過ごしたような感じがしてならない。 ただ、週3回の部活だけが救いだった。誰にも基本的に干渉されない世界だからだ。1人だけの世界に1~2時間没頭し、先輩と将来や学校の裏側について語り合ったものだ。 そして、27日に生徒会選挙、28日に体育祭と非日常的で、貴重な経験を得た。いずれも敗戦したが、これが生きるヒントとして活かされるようになった。 そして、期末試験に至り、携帯が一時的に使えるようになる。 この頃には様子が一変していた。なんと今度はいろいろランキングが終了するという通知がきたのだ! 改正の余地はまだあった筈なのに廃止は駄目だろという感じがした。 7/15には夢ナビライブ2010に行って来た。そこではかなりの学生がうろついていた。僕は六つの講義ライブを受けた。思い通りに講義を受けられたうえに、あらゆる事を知った意味で為になった。その記念にモバゲーの日記に記した。 しかし、その宵、携帯は再び没収される。
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