失った日

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私が目にした光景。 それは6歳にしてみればとても残酷な画だった。 床一面は血の赤で染まり、床に血を流して横たわる大切な人達。 「おか…さ…お…さ…」 ポロポロと涙が零れる。 私はその場に崩れ落ちた。 「あーあ、もう一人いたみたいだね。つくづく君も運が悪いね。」 声がする方に顔を上げた。 そこには私と同じくらいの男の子が包丁を持って立っていた。 「どうして殺したの?お父さんとお母さん…」 「…」 「ねぇッ!」 その子に何度聞いても答えてはくれなかった。 .
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