祈り

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『…なんで?』 「………」 あいつらとは、本当にたくさんの 思い出がある。 楽しい思い出も、苦い思い出も。 そして僕は唯一、まだあの時から 抜け出せないでいる。 きっと忘れることなんか、 出来るはずがない。 あいつは言ったから。 『忘れるな。 死ぬまで思い続けろ』 ………と。 ―――これは僕の、絶対に 忘れられない夏の思い出の話。 素敵ってもんなんかじゃない。 ある人を僕は傷つけ、ある人を 僕は陥れ、ある人は僕を軽蔑し、 ある人は僕の元を去った。 そんな夏の話だから。 それを今ここで、全て記して いこうと思う。 ――もう遅いとしても、全てを。 .
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