魔王と神様

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「神に対して何と無礼な!ごめんなさい、あなた!私の教育が至らなかったばかりに、あなたに迷惑をかけてしまったわ。天罰なら私が受けます。だから、真和をお許しください」 膝を着き、手を組んだ修道女は、静かに目を閉じると胸の前で十字を切った。 「いやいや、マリア。いいんだよ。私も息子の成長が嬉しくて。つい、調子に乗ってしまったんだ。真和がこんなにも素直に感情を表してくれて、むしろ喜ばしいんだよ。君の育て方に間違いはなかったと、私は今、確信していたところだ」 祈るマリアの手を取ると、神様はにこやかに微笑んだ。 「お帰り、マリア」 「ただいま、あなた」 見つめあっていた二人は、ひしと抱き締め合った。 うわー、ツッコミが多すぎて、どこから手をつければいいか分かんねー。 「はぁ。とりあえず……あっちはほっとくとして、サタン、説明を頼めるか?」 「はぁー///私もあのような、久遠の愛を真和様と結びたいです…」 横を見るとサタンは目を輝かせ頬を染めて、不吉なことを呟いていた。 なんかもう……ダメダメだ……。 「はぁ。この際、誰でもいい、誰か説明してくれないか…?」 頭を抱え、ため息を吐くと、"くいくい"と袖を引かれる 「お兄ちゃん♪」 「桃!?桃なのか!?」 思いっきり抱き締めて、頬すり、もう会えないと思っていたので、感激もひとしおだった! 「きゃふ!?くすぐったいよ!」 「うお―!ごめんよ―!桃―!勝手に死んだお兄ちゃんを、許してくれえぇ―!」 「仕方ないよ。天命だもん。兄さんが死ぬ日は、あの日って決まってたんだよ」 「そう。天命には何人たりとも 、逆らえないんだよー。残念だけど」 「百合?楓?お前らまで…」 声の方に振り向くと、制服を着た妹たちが立っていた 「ていうか、待て!なんで皆が、ここに居るんだ!?ここは、あの世だろ?生者のお前らがなんでここに…」 まさか…死んだのか!?後追いで一家心中!? 「はぁ。なわけないでしょ、真和。自殺なんてしていたら。ここにいるはずないじゃない」 「ふむ。自ら命を絶つ、他人の命を奪う。これは、大罪だ。地獄に堕ちて、厳しい研修を行って貰わねばならない」 「じゃあ、なんで……ま、まさか!!!俺は死人と飯を食ってたのか!?」 ゾンビとの生活を想像して身震いした。 「「「なわけないでしょ」」」 「分かってるよ」 やっぱり、家族は変わらなかった。
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