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「えーっと…あっ!あった!」
咲希はクラスメンバー表に自分の名前を見つけた。
(1年2組かぁ。どんなクラスかな…楽しみっ)
1年2組の他の人の名前を見ていると、
見覚えのある名前が上の方にあった。
(井月真一…あれ?この人…)
誰だっけ?
と思っていた時、咲希の肩に誰かがぶつかってきた。
「あっ、すぁせん。」
すぐに行ってしまおうとしていたその人は、
咲希の顔を見て一瞬目が見開いた。
「お前…風見…?」
振り向くとスラッとした男の子が話しかけてきた。
名前を呼ばれビックリした咲希は動きが止まり、
相手が誰なのか分からないまま「はい」と頷いた。
「やっぱり…。俺、井月真一。中学が一緒だったんだけど…覚えてる?」
高い身長にキレイに整った黒い髪。
見たことある…。でも分からない。
(え、どうしよう…。ちょっと覚えてないかも…)
「うーん…ごめんなさい。ちょっと覚えてないかも…です」
そっか…という表情を見せた井月真一は
「まぁ、仕方ないな。同じクラスらしいし、よろしく。」
うん。と咲希が頷く間もなく、
彼はどこかへ行ってしまった。
(見覚えも声の聞き覚えも確かにある…。
誰だっけ…ホントごめんなさい;;)
咲希は思い出せない井月真一に心の中で謝った。
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