第1章・開戦

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PM9:23。 路地裏。 降りしきる雨が徐々に体温を下げ、体の動きが鈍ってくる。 「ちくしょうっ!何なんだよ、……一体!?」 俺の後ろからは黒いレインコートを着たヤツが、一定の距離を保ち追ってきていた。 片手には銀色に光る鞭状の武器を持って……。 「いつまで鬼ごっこ続けるつもり?早くホプロンを渡しなさい」 フードを被っているため顔は確認できないが、声を聞くかぎり女だろう。 それも俺と同年代ぐらいの。 「持ってねえよそんなの!てか、まずその物騒なモン捨てろ!」 「バカなこと言わないで。あなたこそ渡す気がないのなら、解放して戦いなさいよ」 フードの暗闇から返ってくる言葉は、確かに冗談など感じさせない。
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