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PM9:23。
路地裏。
降りしきる雨が徐々に体温を下げ、体の動きが鈍ってくる。
「ちくしょうっ!何なんだよ、……一体!?」
俺の後ろからは黒いレインコートを着たヤツが、一定の距離を保ち追ってきていた。
片手には銀色に光る鞭状の武器を持って……。
「いつまで鬼ごっこ続けるつもり?早くホプロンを渡しなさい」
フードを被っているため顔は確認できないが、声を聞くかぎり女だろう。
それも俺と同年代ぐらいの。
「持ってねえよそんなの!てか、まずその物騒なモン捨てろ!」
「バカなこと言わないで。あなたこそ渡す気がないのなら、解放して戦いなさいよ」
フードの暗闇から返ってくる言葉は、確かに冗談など感じさせない。
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