第1章・開戦

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「やっとやる気になったわね」 レインコートの女は、警戒して一歩後ずさる。 一度まばゆい閃光が走ると、やがて光は右手に収束していった。 光が消えると同時に、漆蒼の剣道でいう籠手に似た金属が浮かび上がる。 「なんだよ……これ」 見た目は重厚な素材で出来てる風だけど、重さは無いに等しい。 それに右手を覆ってるが、何かを着けてるって感覚が全くない。 でも、何より不思議なのは……。 「ぼーっとしてんじゃないわよ!」 月光を反射し斬りつけてくる鞭の動きが、 ガキィンッ! 「嘘っ!?」 ――ギリギリ躱せるぐらいに見える事だ。
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