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「ねぇ、」
俺、明故慧(アケユエ ケイ)が風呂上り、髪を拭きながら入った部屋の足元から、声がした。出所はわかりきっているから、無言で続きを促す。
「今日、良い?」
その言葉に、冷蔵庫から出してきたアイスにスプーンを突き立てて、振り向いた。
ちゃっかり炬燵の中に潜り込んで、あ、こっち見た。と言い笑うのは、中学からの付き合いである、灰音澪(ハイネ ミオ)。
「良い?って……。……あえて聞こう、何がだ?」
「やだなぁ、解ってるくせに。」
ぱっと見女にも見えそうな顔立ちに、低い背と細い身体。人の良い笑顔を浮かべるとすごく可愛い。が、そんな容姿とは裏腹に、
「今日、ヤらせてよ、慧さん♪」
こいつは“タチ”だ。
まぁ、もともと俺達は二人ともノンケなんだけど、付き合い出してからが長いだけに、そういう言葉を用いることが多くなった。
因みに、俺が高2、澪が高1の時に付き合い出して、現在それから三年が経過している。
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