月詩

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よるのそら… ひかるてんてん… 「あれはなぁに?」 「さぁ、なんだろう」 こどもはいう 「こんぺいとうみたい」 おとなはわらう 「そうだね。きらきらしてこんぺいとうみたいだね。」 そらにうかんだこんぺいとう きっと…たかいばしょからならとれるよ。 「だぁれ?」 そこには、まっくろなながいかみと、そらみたいにまっさおなめをしたおんなのこが、たかいへいのうえにすわっていました。 「おねえちゃん、なんでないてるの?」 おんなのこはきれいなそらをみてないていました。 …さぁ、なんでだろ。きれいなのにね… そういってそらをみあげました。 「ねぇねぇ、このこんぺいとうもっていったら、おかあさん…よろこぶかな?」 こどもはてをのばしました。 だけど、まったくとどきません。 すると、おんなのこが、てをのばしてほしをひとつ、とりました。 …はい。これをもっていってあげなさい。… へいからおりて、こどものまえでかがんで、おんなのこはにぎったてをひろげました。 そこには…ちいさなビーダマがありました。 きらきらとひかるビーダマ 「うん。ありがとう」 そういってこどもは、はしってどこかにきえました。 「…いいの?なにもいわなくて?」 さっきのこどもとはちがった、かわいらしいおとこのこのこえがきこえました。 …ボクには、見守ることしかできない…そういったのはキミでしょ?… ちいさなくろねこがへいのうえにきようにすわっていました。 ぜんしんまっくろで、ちっちゃなめがねをかけてた。かわいらしいねこです。 …さようなら… おんなのこは、ひとつぶのなみだをながしました。 こどものために…
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