第一章 これでもかへの招待

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「あ~あ、これでテクノ歯科の思う壺に填ってしまうよなあ」 高見沢はそう思いながら、電話で予約を取った。  そして、今日初めて訪ねて来たのである。 しかし一方で、「この歯医者の建物の中は、一体どんな風になってるんだろうなあ」と興味もあった。 そして高見沢は待合室に入ってみて驚いた。  それは、上擦った外観とは違って、割りに落ち着いた雰囲気。 そして新刊のマガジンが一杯用意されていて、その上に、壁には最新型の薄型TVが掛けられている。  おまけにマッサ-ジチェアまで備え付けられているのだ。 高見沢は、元々腰痛持ち。 これ幸いにと早速待ち時間を利用して、そのお世話になった。 そして、高見沢は実に単純。  「うーん、なかなかいいじゃない」 腰の辺りを揉み上げながら早速の心変わり。 高見沢は、診察も始まらない内に、このテクノ歯科を気に入ってしまっている。
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