不敵な男

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ほとほと香野には感心させられる。 まだそれほどの情報をあたえていないというのに、この推理力だ。 たしかに侵入方法も、今だに分かっていない。 しかし警察は、侵入方法はいくらでもあり、警備が厳重ではあったが、それほど難しい事ではないと考え、重要視していなかった。 私は香野に言った。 「侵入方法が重要なのですか?あの建物は広いですし、いくらでも簡単に侵入できる気がするんですが?」 香野は、軽く頷いて言った。 「確かに確かに、一見すると、簡単そうに思えますね。 ですが、監視カメラの数と警備員の数がかなり多い。 試しに高田さんが侵入にチャレンジしてみては? きっと5分もしないうちに捕まりますよ。 昼間のうちにビル内に隠れておくのも、意外と難しいかもしれません。 このビルは、入った人と出た人の数をカウントしていると、資料に書かれています。 その日は、入った人と出た人の人数がピッタリだったとも書かれている。 つまり、昼間のうちにビルに隠れたという事はないわけですね」
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