―序章―      はじまりのあやまち

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始まりはちょっとした手違い。 まさか分かる訳ないじゃない。 ……だって…遠坂のアホ女みたいなポカをするなんて…… 彼女の名は【衛宮 代乃(えみや しろの)】 この日本的な邸宅の主で魔術師だ。 見た目はどう見てもランドセルを最近卒業したような出で立ちだが、もう一年ほどすれば立派に穂群原学園を卒業する。 「……なんかムカつく自己紹介された気がする!」 バンッ!と強く足を踏み鳴らす少女。 その音に相応しいクレーターが足元に出現していたが、まったく気付いていない。彼女はそれほどまでにいきり立っていたのだ。 腰の下まである長い紅いツインテールの髪がブルブルと小刻みに震える。 彼女の魔力が大気を震わしているのだ。 本来ならば自身の見に纏っている防御壁で、ありえない現象だが、 「ホント……最悪だわ」 彼女はそれほどまでにいきり立っていた。
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