愛の言葉じゃなくても

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リビングのドアを開けた。 そこにあいつはいない。 でもなんで、鍵が開いてた? するとキッチンから足音がして、 「ぅわッ!?亮平!」 保本がエプロンをして出てきた。 なんで・・・? 「もー、びっくりするやん。ちゃんとただいまくらい言うてやー。まぁ、勝手に入っとったんは僕やけど。」 そう言って苦笑いする翔ちゃん。 あれ・・・? 『帰ったらただいま言うてよ』 あいつも言うてた。 「亮平?」 『急に入ってきたらびっくりするんやから。』 「どないしたん?」 『おかえり、亮平。』 思い出が溢れてくる。 あいつの声。 「・・・泣いとるん?」 「・・・――ッ!」 .
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