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「ん…」
気が付くと、私の視線の先には白い天井があった。
どうやら私は休憩室のソファーに寝かされていたようだった。
「あれ…、なんで私ここに…?」
1人で仕事をしていた後からの記憶がない。
誰かに会った覚えも全くなかった。
「一体誰が…」
ふと視線を下ろすと、私の体に毛布がかけてあった。
毛布の上には1枚の紺色の上着が広げてかけてある。
その上着には見覚えがあった。
「…これ…、遠藤君の…?」
それは確かに克己の上着だった。
「あ、目が覚めましたか?」
声がした方を振り向くと、1杯の水と薬箱を持った克己の姿があった。
「…どうしてここに?帰ったんじゃなかったの?」
私はさっきから思っていた事を素直に聞いてみた。
すると克己は静かに口を開く。
「途中で引き返してきたんです。そしたら案の定、倒れてますし。まぁ、ここまで高熱だとは思いませんでしたけどね。…ハイ、この薬飲んで下さい。」
質問に答えながら薬箱の中を探っていた克己は、選んだ薬をケースから取り出し、水の入ったコップと共に私に差し出す。
私は何も言わずに、言われた通りにした。
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