第二章

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今日もいつもと同じようにパソコンと向かい合っていた。 私のデスクの上には書類の束が積み重なっている。 (もぅ!なんでこんなに多いのよッ!!) 私はその仕事の多さにイラだっていた。 (あ~、ダメだ…。ちょっと一息いれよっと。) こんな状態のままでは仕事が進まないと考え、休憩をとることにした。 ガチャッ 「あ~、皆仕事中に悪いが、少し集まってくれ。」 息抜きにコーヒーを飲んでいると、専務が慌ただしく入ってきた。 その後ろには1人の男がついている。 (誰だろ、あの人…?) 不審に思いながらも、コーヒーをその場に置き皆と一緒に専務の所へ向かった。 社員が揃ったのを確認した専務は話を始める。 「急に集めてすまんな。もっと忙しくなる前に1つ報告しておく。ホラ、遠藤君前へ。」 専務は後ろにいた男を前の方に来るよう促す。 「彼は新入社員で、今日からここで働く事になった、遠藤 克己君だ。皆、色々と手助けしてやってくれ。」 「…遠藤 克己です。よろしくお願いします。」   30点。 寝癖で髪はボサボサ。 前髪が少し長くて黒縁メガネだから、顔はほとんど見えない。 服も、色合いとかはそこまで酷くはないけどヨレヨレ。 そして何より暗い。 「佐藤君、ちょっといいかな。」 「はい。何か御用ですか?」 脳内採点をしていたら、専務の呼び出しがかかった。 すると、専務の口から思ってもみない言葉が飛び出した。 「忙しいところ悪いが、遠藤君の世話係になってやってくれんか?」 え…
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