彼の名は

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時すでに遅し。 いきなり叫ばれたからか、目を大きく見開いた彼がいた。 「あ、その、違くて!」 “えっと、そのー” と言い訳を探していると彼がプッと笑い始めた。 「ハハハッ! ごめん、大丈夫だよ」 「……はい。 そこ、陽が強くさしませんか…?」 慌ててる自分が恥ずかしくなって、ごまかすように彼の座ってる席を指差す。 「あー、うん。 ……でも、この席じゃないと駄目なんだ」 フッと笑い、また外を見る。  
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