第1章 オリジナル

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瞬が推理を始めた様である。 彼は推理をする際、 目を瞑り口元に手をやる癖がある。 『瞬、もう推理を始めたのかい?』 『ウソ~!?私まだ全然何も掴めて無いのに!』 瞬は少し微笑み答える 『イヤ、まだ確実な答えは出て無いよ。でも目星はついたよ。』 (自分の中では最高傑作な推理問題だったのに、もう目星がついているのか…。) 『ちょっと、お兄ちゃん!まだ停めないでよ?』 『解ってるよ、もう少し時間をやるから、萌も考えてみなよ。』 このゲームは、 答えが解った解答者が質問を中断出来る。 そう言うという事は、瞬は隙に答えがでているのだろう。 『じゃあ、萌ちゃん。質問を続けて。』 僕は考え込む萌ちゃんにそう言い、問題ノートを覗き見る。 『えーと…。じゃあ、被害者は何で睡眠薬を服用していたの?』 『被害者は何日も不眠が続き、病院に通っていたみたいだね。』 萌ちゃんは、 自分のノートに書き込みながら次の質問を続けた。 『これが最後の質問かぁ……。鋭利な刃物で切られているのに凶器が無いのが引っ掛かるのよねぇ…。』
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