prologue

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「……?」 顔だけ振り返ると、フェリシアーノが俺の服を握ったまま眠っていた。 「…ヴェ…、一人は嫌だよ…」 フェリシアーノの寝言に驚いた。 …だが、すぐに理解できた。 アントーニョから聞いた話では、じいちゃんは出てってしばらくしない内に死んだらしい。 小さなフェリシアーノは一人残された。 ローデリヒに引き取られるまで一人だったらしい。 …だからそんな寝言を呟いたのかもしれない。 俺は溜息をついて、そのままの体勢で寝ることにした。 「仕方ねーな、ちくしょー…」 それから毎日、二人は一緒に寝るようになった。
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