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       下駄箱付近にある掲示板には既に  沢山の人が居た。  「あそこにクラス表が   貼ってあるんだね!」  宏太は、人の多さなんて気にもせず  前へと進んで行った。  「光と同じクラスがいいなぁ…」  そんな可愛い事言ったら、  離れた時に寂しいじゃん…  そんな事を思いながら  俺は背伸びをして掲示板を見た。  「や…や…や……」  苗字の五十音順の出席番号だから、  俺と宏太は最後らへんだと思う…  始めらへんのクラスには無い…。  「光…?あった?」  隣に居た宏太に視線を移すと  宏太はさっきまでの元気が無かった。  「見つけたのか?」  俺の問い掛けに宏太は頬に空気を  入れながら、黙ったまま掲示板を  静かに指指した。  宏太の細い指の先を目で  ゆっくりと辿る。  「あ……」  "1‐5"と書かれた下の方には  確かに俺の名前があった。  俺の名前の近くに宏太の  名前は無い。  「俺、8組だ……」  肩を落とす宏太に俺は笑った。 .
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