夜に咲く新しい星

―１―

『もっしもーし、ノバ起きてるか？』

陽気な声が聞こえてきた。同じ店で働いている夜富月【ﾖﾙﾄﾐﾗｲﾄ】だ。ノバというのは新星の仕事先での名前だ。

「あぁ。起きてる。どうしたんだ？」

『いや、今日仕事これるかな～って……確認♪』

「行くつもりだけど、何でだ？」

『いやぁ、ノバの昨日のお客さん、だいぶ激しかったんだろ？ノバが立てなくなったのなんて始めて見たし、大丈夫かなぁって思って♪皆、びっくりしてたよ？』

新星や月が働く店≪Ｃosmic Ｓpace(宇宙空間)≫は、午前10時から午後5時までが喫茶店。午後7時から次の日の午前5時までがクラブという､一風変わった店なのである。

また、クラブの方には横路地に入って行かなくてはならないのと、会員制というのがあり、表では知っているという人のほうが珍しいのだ。

会員制なのにも理由がある。

１つは年齢を誤魔化せないように2つ目は店の中で乱闘などをさせないようにするためだ。

この１つ目が重要なのである。

何故ならコスミック(長いので省略する)は普通のクラブとは違い、客が何かをお願いすれば、必ずそれをしなくてはいけないのだ。(まあ、お願いはしていいことと、してはいけないことがあるので、従業員が危険になることはない。)だから、もし女がセックスしてといえば、しなくてはいけないということだ｡

コスミックのメンバーは孕ませるなどのヘマはしないが、もしもの時のために会員になるのにも､会員の紹介+履歴書がいるのだ。

しかし男は別にそういうことはない。

男なら、紹介と確かな連絡先をだせば、滅多なことがないかぎり、簡単に、誰でも会員になることができるのである。