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車を走らせ始め少しすると、月が前を向いたまま少し真面目な顔で新星に聞いた。 「なぁ、ノバの兄弟、まだこの仕事反対してんのか?」 月の言葉に新星は苦笑いをして答える。 「あぁ。相変わらずだ。」 兄弟といっても、血はつながっていない。新星が日本に来たときに引き取られた家の子供のことだ。 歳は新星より3歳上で、コスミックの夜の仕事のことは知らない。 何故反対するのかというと、新星に接客業をしてほしくないというのと、安定した収入のある仕事についてほしいという理由からだ。 「辞めたりしないよな?」 「まさか。辞めるわけないよ。この仕事楽しいし、あの人たちのところに帰るつもりもないし♪それに、この仕事給料いーしさ♪」 「ははっ。ノバらしいや」 そのまま色々な話をしながら店に向かった。 20分ほどして、今日もにぎわっているコスミックに到着し、店の裏に車を止め、店に入った。 店に入ると、昼の店長が2人を迎えた。(夜の店長も同じ人物なのだが、性格がガラッと変わるのだ。) 「おお、2人とも今日は早かったな。もう仕事はいるか?」 「あっ、オレ入ります♪てんちょー!」 月が手を挙げて言ったのを見て、新星も答えた。 「店長、オレ、ちょっと寝かせて下さい。」 「おお、いいぞ。ねぼすけノバ君が今日はあんまり寝れてないみたいだからな。夜の仕事までできるようになったら起きろ。無理そうだったら、今日はずっと寝ててもいいぞ。」 ぽんっと新星の頭に手をのせて店長は言った。 新星は軽く頭を下げ、事務所の横長の椅子に転がった。
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