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龍「ああ。」
詩織…怖いんだろうな。
めちゃくちゃ腕震えてる。(笑)
龍「こんな時に言うのはちょっと可笑しいんだけど…さ。お前、悲しくねえの?」
詩織「なにが…?」
龍「お前の母親のこと。」
俺は朝、休み時間にそんな話をしたのを思いだし…と言うか気になっていたから聞いた。
詩織「え…?」
詩織はなんの事か解ってないみたいだけど(笑)
龍「お前は…お前は母親のこと引きずって無いわけ?」
俺がそう言うと詩織は悲しそうに俯いた。
やべ!
詩織の事考えないで…俺…(汗)
てかなんか俺も言ってて悲しくなってきた…(汗)
詩織「…引きずってるよ…当たり前じゃん!お母さんは…1人しかいないんだよっ!?」
当たり前…か
龍「…だよな…変なこと言って…ごめんな」
俺はそう言うと同時に詩織の腕を引っ張り抱き締めた。
詩織「え?…ちょっ…龍君!?」
詩織が驚いてるけど…
今は…そんなの気にしない。
龍「お前の気持ちわかるよ…俺もこっちに来てから親父が事故って死んだ…。お前は…今までいっぱい…我慢してたんだろ…?」
そう言うと詩織は今まで我慢してたんだろう。
すぐに泣き出した。
詩織「龍君…ひっ…く…ぅう…ごめん…何泣いてんだって話だよね…」
俺は詩織になにをしてやれるんだろう…
龍「いいんだよ。泣いても。お前は家で頑張ってるんだから。家族が居ないときくらい休んだって…誰も怒ったりしないよ。」
今の俺にできる事なんて限られてる…
詩織「龍君は…?っう…」
そんな事を考えていると詩織が喋り出した。
龍「ん…?」
詩織「龍君は…悲しく、ないの…?」
…………。
龍「……俺は…大丈夫だよ。」
俺も悲しいときはある。
家族が居なくなったのには変わりはないんだから。
でも…
詩織「…そっか。ありがとう…でも、龍君…?」
龍「なに?」
今の詩織に心配させたくない。
詩織「泣きたくなったら私に言ってね!…今日のお礼!私だって胸貸すくらいできるんだから!(笑)」
ありがとう、詩織。
だけど…俺は…
龍「ありがとう。でもやだ」
女に…詩織に俺の弱いとこは見せたくない。
詩織「え」
だから、詩織。
龍「俺がお前を守ってやるよ!」
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