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詩織「ありがとう。でも、今日のお礼はしたいな。」
詩織は俺の言葉にそう言った。
俺は何故か詩織が可愛いと思ってしまい、詩織の頬を両手で掴んだ。
詩織「近い、近い!///」
詩織は掴んで、最初の方は何も言わなかったが、状況を理解したのかそう言って、俺の手を剥がそうとしていたが、男の俺と女の詩織じゃ、力の差がありすぎて退かせなかったみたいで諦めた様子で俺を見てきた。
俺と詩織が喋らないで見つめ合う状態が何秒かしてから、顔を真っ赤にして詩織は目を瞑った。
なにこれ…(笑)
まぁ…いっか。
詩織がお礼したいって言ったんだし。
でも唇にするのも可哀想だな。
そう考えて俺は目を瞑っている詩織の顔に近づきおでこにキスをして、詩織が目を開けるのを待った。
詩織が目を開けてから俺は笑った。
龍「お礼。もらったから。(笑)」
詩織「…え?」
なんだよ、その物足りなそうな顔(笑)
龍「なに?物足りない?おでこにキスだけじゃ(笑)
唇にして欲しかった?(笑)」
俺が冗談で言うと詩織はわなわな震えだした。
詩織「い…」
龍「胃?」
詩織「いやー!」
あーあ。叫んじゃった。
ここ、理科室。
理科室の隣には2年の教室あるんだけど。
誰か来たらどーすんの?(笑)
龍「なんだよ…叫ぶことないじゃん。お前がお礼したいって言うからじゃん?それに唇な訳じゃないんだから」
詩織「そうだけど…」
龍「だろ?…てか雨やんだみたいだな。俺、帰るな。」
俺は窓から外を見てそう言った。
詩織「う…うん。ばいばーい…」
詩織の返事を聞いて理科室から出た。
って…
俺なにしてんだよ。
廊下を歩きながら俺は考えた。
意味わかんねえじゃん。
詩織は…
詩織は…?
俺からしたら詩織って、なに…?
龍「あーもう!わかんねえことばっかだろ!」
先生「おい。終わったか?」
龍「あ゛?…ああ」
先生「そうか。ありがとな。川瀬は…?」
龍「まだ理科室にいるんじゃねえの?」
つか俺早く帰りたいんだけど…。
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