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詩織「…よいしょっ…と!」
私逹はあれから全部のプリントとダンボールを理科室に運んだ。
龍「やっと終わったな。」
詩織「うん!」
龍「帰るか。」
私はその言葉に頷いて理科室から出ようとした。
けど…
ゴロ…ゴロロロロ…
詩織「きゃあ!」
龍「お前、昔も今も変わってないな。雷が大嫌いな所。」
外を見るといつの間にか雨が降っていた。
詩織「だって~!(泣)」
龍「しょうがねえ…雷が収まるまでここにいるか」
詩織「ごめんね、ありがとう。」
龍「別にいーよ。」
ピカ…ゴロロロロ…
詩織「きゃあ!」
ドンッ…
詩織「ご、ごめん龍君…」
龍「いや、いいよ。胸なら何時でも貸すぜ?(笑)」
詩織「…胸はいーや。腕…掴んでてもいーかな?」
龍「ああ。」
そんな会話をしてても雷は一向に収まらない。
早くとまってよ…
怖いんだからぁ(泣)
龍「こんな時に言うのはちょっと可笑しいんだけど…さ。お前、悲しくねえの?」
詩織「なにが…?」
龍「お前の母親のこと。」
詩織「え…?」
龍「お前は…お前は母親のこと引きずって無いわけ?」
詩織「…引きずってるよ…当たり前じゃん!お母さんは…1人しかいないんだよっ!?」
龍「…だよな…変なこと言って…ごめんな」
龍君はそう言っていきなり私を抱き締めた。
詩織「え?…ちょっ…龍君!?」
龍「お前の気持ちわかるよ…俺もこっちに来てから親父が事故って死んだ…。お前は…今までいっぱい…我慢してたんだろ…?」
詩織「龍君…ひっ…く…ぅう…ごめん…何泣いてんだって話だよね…」
龍君の悲しみが私に伝わって…
龍君も悲しいはずなのに…
龍「いいんだよ。泣いても。お前は家で頑張ってるんだから。家族が居ないときくらい休んだって…誰も怒ったりしないよ。」
なんで…
そんなに優しくしてくれるの…
龍君だって泣きたいはずなのに…
詩織「龍君は…?っう…」
龍「ん…?」
詩織「龍君は…悲しく、ないの…?」
龍「……俺は…大丈夫だよ。」
詩織「…そっか。ありがとう…でも、龍君…?」
龍「なに?」
詩織「泣きたくなったら私に言ってね!…今日のお礼!私だって胸貸すくらいできるんだから!(笑)」
私だって龍君を助けてあげたい!
龍「ありがとう。でもやだ」
詩織「え」
龍「俺がお前を守ってやるよ!」
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