それぞれの日々

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すると海ちょんは、優しげな笑みを浮かべて 「椿稀ちゃん… ほんとは、他にも色々と迷ってることがあるんじゃないのかな…?」 「えっ…?」 「もしかしたら… 納得のいくアイディアが思い付かないのは、心をデザインに対して集中させない『何か』があるのかもしれないぉ」 「……言われてみれば、そんな気もするわ…。 自分の将来のことだったり、周囲の人たちの言葉が耳障りだったり… 不安だったり、嫌だと思うことがある度に、私の中の何かが冷めていくような気がして…」 すると海ちょんは立ち上がり、お菓子作りを再開させながら言う。 「ねぇ椿稀ちゃん、知ってる? 最近ね、近くで『占い屋さん』が出来たんだよ。 小さくて、あまり目立たないんだけど… そこでやってる『小桜・ヒララ』っていう占い師さんの占いは、よく当たるんだって。 その人に見てもらえば、答えが見つかるかもしれないよ!」 「占い師… なんだか、胡散臭いなぁ。 占いをするとか言って、そのままおかしな宗教に誘われたりしないかしら」 「いやいや、それは無いから!! 椿稀ちゃんたら、想像力豊かなんだねぇ~」 「貴方に言われたくないわ。 海ちょん」 …こうして、時間が経ち… 海ちょんの作ったお菓子が完成した。 「じゃーん!!見て見て!! 海ちょん特製、カラフルマカロンだぉっ!!」 海ちょんはそう言いながら、鉄板の上にのった焼きたてのマカロンを椿稀に見せた。 クッキングペーパーの上には、色とりどりのマカロンが並べられている。 「わぁ…美味しそう…!! 色んな色があるわ。 黄色…ピンク…水色… まるで、マリー・アントワネットの住む王宮で出されたお菓子そのものだわ…!!」 「うふふ。椿稀ちゃんたら、相変わらず想像力豊かな発言をするぉ」 「貴方に言われたくないわ。 海ちょん」
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