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…ここは、小さなライブハウス『屋根裏表』である…。
押し合うかのように、ステージに魅入る満員の客。
ステージには、無人のまま…
立て掛けられたギターやベース、その後ろにドラムセットが置かれ
その中心には、マイクスタンドが置かれている。
ひたすら息を飲み、ステージを凝視する客たち…。
その時
ステージの天井に取り付けられたオレンジ色のスポット・ライトが突然光ると共に
激しいインストゥ・ルメンタルのSEが流れてくる。
その瞬間、客たちは室内の全てを振動させるかのような歓声を上げる。
そして、出てきたのは…
ドラム、ギター、ベースを担当する人物たち。
客たちは、更に歓声を上げる。
魂の底から、全てを絞り出すように…!!
そして、最後にステージに現れたのは………
「キャァアアアアアアっ!!!!
『もでな』ー!!!!!!!」
「もでな!!!もでな――――!!!!!!!」
ボーカル&ギターを担当する、もでなという名の青年だった。
もでなは…
黒い長髪をかき上げながら、その切れ長の目で観客たちに視線を投げる。
その瞬間、酸欠を予感させるほどの熱狂的な歓声が周囲を駆け抜けた。
もでなは、軽く挑発的な笑みを浮かべたかと思うと
スタンドに取り付けられたマイクを片手で掴み…
よく通る、甘い声でマイク越しに言う。
『お前ら…
また会ったな。
今日も一人残らずトリップさせてやるからな!!!!
かかって来いオルァアアアアアッ!!!!!!!!』
もでながそう叫んだ瞬間…
爆発するかのような大音量の演奏が、この空間を一瞬にして『ただ高揚のみを味わう場所』に変える………!!!!
更に更に激しくなる歓声を支配するかのように、その中でもでなの攻撃的な歌とギターが響き始めた…!!!
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