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「あっおばさん?あの壮介なんだけど…。」
あれから壮介を病院に連れて行き、お医者さんに診てもらったのだけどどこも異常はみられないらしく入院もすることなく帰されてしまった。
記憶の方は一時的なものらしく時期に戻るだろうとのことだ。
焦らず根気よくが記憶を取り戻す一番の方法らしいのだが短気な私にそれが出来るのか…疑問は残る所だけど。
ともあれ異常がないのであれば親元に送り返すのが一番だろうと思って壮介の母親に電話したのが冒頭だ。
『あっ壮介ね。綾花ちゃんの学校に転校したから。
それでね、悪いんだけど壮介の部屋見つかるまで綾花ちゃんの部屋に泊めてやってくれない?
あっ大丈夫大丈夫。食費とか家賃とかは私がアナタの口座に振り込んどいたから。』
「いや…おばさんそういう問題じゃ」
『あぁ、そういうこと?
まぁ私も女の子の一人暮らしに男を泊まらせるってどうかなとは思ったんだけどヘタレな壮介の事だから綾花ちゃんには絶対手出せないから大丈夫よ。
じゃよろしくね。』
それだけ言うと一方的に切られてしまった。
全くおばさんはいつもこうだ。
台風のようにやって来ては自分の言いたいことだけ言って勝手に去っていく。
でもなぜかおばさんと話した後は台風が去った後の晴天のように清々しい気持ちになるから
私はおばさんのことが大好きだ。
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