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それでもきっとおっちょこちょいの新人さんでついつい部屋の前まで上がってきたんだと自分に言い聞かせ勇気を振り絞ってドアスコープを覗き込んだ。
「…………えっ!?」
そこには綾花の幼なじみで高校時代に片思いをしていた男…壮介が立っていた。
「なぁんでアンタが瀬川急便なのよーーーッ!!」
今まで散々怖かった思いを全て怒りに変えて荒々しくチェーンを外して叫びながらも思いっきりドアを開けた。
ちょうど壮介も反対側から見えるはずもないドアスコープを覗き込んでいた為に急に開いたドアを顔面にマトモに受けて
『ひでぶ…。』
と情けない声を上げながらエレベーターがある所まで吹っ飛んでいった…。
壮介のおかげで余計に怖い思いをしたものの心の隅では安心していた。
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