15人が本棚に入れています
本棚に追加
/114ページ
ストーカーから逃げている時にただひたすら怖いと思っていた。
それと同時に心の中で壮介助けてと祈っていたから。
その祈りが届いたのか壮介はこうやって目の前にやってきてくれたのだ。
進路が別々になって壮介は地元に残り、私は隣りの県に行き離れ離れになってしまっていたのに。
遠路はるばる…ってちょっと待って。
いくらなんでもタイミングよすぎじゃない?
確かに壮介が引っ越し先の私の住所知っててもおかしくはない。
壮介には事前に知らせていたし。
でもさっきの瀬川急便といいコイツはちょいちょい紛らわしいことをやってのけるから。
一応確認しておいた方がいいだろう。
そう思い、エレベーターの脇でのびている壮介を揺さぶり起こした。
「ちょっと壮介。聞きたいことあるから起きなさい。」
なかなか起きない壮介に苛立ちを募らせた私は
“えいっ!!”というかけ声と共にエレベーターの扉に壮介の頭を打ちつけた。
『う…うぅ…ん。』
壁に打ちつけたのが功を奏したのか壮介がゆっくり目を開けた。
「ねぇ壮介に聞きたいことが…。」
そこまで言って私は言葉を止めた。
何故なら壮介が私の顔に何かついているのか?と思わせるように不思議そうな顔でガン見してきたからだ。
「壮介どうしたの?」
『君……誰?』
「は…!?」
最初のコメントを投稿しよう!