卵が先か、鶏が先か

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そんな彼の前で、我に返った桃子は泣き出してしまい――怒った葵が、彼女を保健室へと連れていったのである。 「泣かないで、桃ちゃん……僕が、桃ちゃんを守るから」 そう言って、葵は桃子の手を握った。 泣きながらも、桃子は葵の手を握り返してくれた。 ……思えばあの瞬間から、彼の恋は始まったのだ。 「桃子は偉いね」 「……あー君?」
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