卵が先か、鶏が先か
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「あー君しかいないの! 私の水恐怖症知っててくれてるし、水泳部だしっ」 「そうよ、葵。部活はもう引退したんでしょう? 余裕で合格なんだし、桃ちゃんの力になってあげなさいよ」 確かに葵は水泳部だったし、後輩に教えたこともある。 だが水泳部に入ってくるのは元々、泳げる生徒だし。それに……。 「お願いっ」 縋るような目で見つめられ、小さな手を合わせて頼まれるのに葵は内心、頭を抱えた。
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