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「たとえお前を不幸にしても、もう俺はお前を離したくない」
土方の手が紅葉の胸元を開く。
「私の不幸はあなたと離れてしまうことだと言ったはず・・・・・・っ・・・・・・」
その後の言葉は続かなかった。
何度抱かれても、初めて抱かれた時のように心が震える。
土方の熱い身体に溶けてしまいそうになる。
紅葉は恋を知らなかった。
でもそれはこんな熱い男を知らなかったから。
真っすぐで、己の力のみで進んでゆく。
自分がもみじなら、土方は紅梅。
大地に根を張り、どんな風にも揺るがない。
ただひたすらに鮮やかな紅い花を咲かせる。
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