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「寒いと思ったら、火が」
薄闇の中、紅葉は火鉢を覗き込んで言った。
ずいぶん火が弱くなっている。
火箸を取ろうとすると、先に土方が火箸を掴んだ。
土方は無言で火鉢を掻き混ぜる。
「また雪が降ってきましたね」
紅葉は換気の為、少しだけ窓を開けた。
空から舞い降りてくる雪を見ていると、ふと沖田の言葉を思い出す。
「そんな所にいたら冷えるぞ」
土方が後ろから紅葉をそっと抱き寄せる。
紅葉は土方の手に自分の手を重ねた。
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