3948人が本棚に入れています
本棚に追加
土方は紅葉に背を向けて布団にくるまっている。
紅葉は回り込んで土方の前に座る。
だが土方はくるりと向こうを向いてしまう。
もしかして図星だったのかな。
紅葉は再び反対側に回り込んだ。
やはり土方は体を反転させ、紅葉と反対の方向を向く。
紅葉は身を乗り出し、土方に覆いかぶさるようにして、反対側を向いている土方を覗き込む。
土方は布団を被って顔を隠す。
紅葉は面白くなって、布団を剥がそうと引っ張った。
しかし土方の力は強く、なかなか布団は剥がれない。
紅葉は尚も布団を引っ張っる。
そのうちに土方が勢いよく起き上がった。
そして紅葉の頭に布団被せる。
「もう!」
布団をから顔を出すと、土方は笑っていた。
まるで子供のように。
「私は歳さんしか知りませんからご安心ください。今までもこれからも」
紅葉は微笑んだ。
最初のコメントを投稿しよう!