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「本当に紅葉ちゃんだ」
部屋に入るなり島田が言った。
紅葉は土方と料亭の一室で島田を待っていた。
すでに一杯やっている紅葉は上機嫌だった。
「島田さん! お元気そうで良かったです」
「歳さんから聞いた時にはまさかと思ったが、本当にこんなところまで追いかけて来るとは。さすが紅葉ちゃんだ」
「はい」
紅葉は笑顔で答える。
「いや、懐かしい。こうしていると京に戻ったみたいだねえ」
島田も上機嫌で酒を飲み始める。
「まだ特製お汁粉食べているんですか?」
「いや、それがなかなか。普通の汁粉は食べているがね」
やっぱり汁粉は食べるんだ。
紅葉はおかしくなってくすくすと笑った。
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