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「毎日五稜郭へ歳さんの姿を探しに行っていたので、大鳥さんが声をかけてくださって・・・・・・・あの・・・・親切な方で、歳さんが戻られた時にも教えていただいて・・・・・」
「だからと言ってのこのこと大鳥などと」
土方の低い声が更に低くなる。
まずい。
怒ってる。
「まあまあ。大鳥さんは人の良い方だから、紅葉ちゃんを放っておけなかったんでしょう」
島田がなだめる。
しかし土方の気はおさまらない。
「人が良い? ふん。ただの軟弱者だろう。ちょっとは航海術に長けているかもしれんが、実際の戦闘となるとまるで無能だ。どれほど無駄な死を強いたと思っている」
土方は盃をぐいっと飲み干した。
どうやら土方は大鳥のことをあまり良く思っていないらしい。
「そりゃあ、兵士は正直大鳥さんの指揮を嫌がりますが」
島田もぽつりと言う。
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