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「今は皆勢いづいていますが、やがて気付くでしょう。その時最後まで戦おうとする土方君は孤立してしまう」
大鳥の言いたいことは何となくわかった。
時期が来れば素直に降伏するよう、説得して欲しいということであろう。
それは紅葉にとって、一見魅力的な言葉に思えた。
が、近藤は処刑された。
降伏したところで、土方も命はないかもしれない。
赦されるには、あまりにも相手を斬りすぎた。
「土方は自分の命がないことを知っています」
「そうかもしれません。しかし」
「大鳥さん。そこまでわかっていながらあなたはなぜ、ここに居るのですか?」
「戦う為ですよ。私にも忠義はあります」
大鳥はふっと笑った。
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