雪解け

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「世界は広い。土方君も世界を見た男であったら」  大鳥も彼なりに、土方の身を案じているのかもしれない。 「世界を見ていないから、誠が生まれ、それを貫く力を持ったのでしょう」  紅葉も海を見た。  流氷が浮かんでいる。  まるで自分のようだ。  流れるように蝦夷の大地に辿り着いた。  そしてその先は・・・・ 「あなたが土方君と真逆だと思ったのは、間違いでしたね」  大鳥は海から視線を紅葉に戻す。 「二人ともそっくりです。ひどく頑固だ」  大鳥は笑った。 「そして真っすぐで強い。羨ましいくらいに」  大鳥は海に背を向ける。  そしてそのま紅葉を残し去って行った。
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