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「離して! 嫌だ・・・・・・・・歳・・・・・・・・・・・・・・・・・」
船が動く。
男の手が緩む。
紅葉は船から飛び降りようと、船縁に駆け寄った。
桟橋に立つ土方が見える。
紅葉はその顔を見て動きを止めた。
笑っている。
紅葉の脳裏に、沖田の笑顔が浮かぶ。
同じだ。
死を悟った時の男の顔。
もう、本当に、最後なのだ。
今度こそ本当に。
逝ってしまう。
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