紅梅散舞

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「いつでも戻ってきていいからね」  のぶはそう言ってくれた。  彦五郎もその通り、と言わんばかりに大きくうなずく。  優しい人達だった。  何も聞かず紅葉をそっとしておいてくれた。  土方の優しさはこの人達に育てられたのだろう。  京へは中山道を歩いた。  土方が初めて京へ登った時に歩いた道。  それはたった数年前のことなのに、遥か遠くのこととなってしまった。  京に着くと、紅葉は壬生寺をたずねた。  もう陽は暮れ、境内は薄暗く人気もない。  懐かしいな。  ここで沖田や山南が子供たちを追いかけていた。
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