紅梅散舞

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「さんなんさん」  子供が呼ぶ声が聞こえる。  それは幻だとわかっていても、紅葉は振り返ってしまう。  だが、そこには山南が立っていた。 「紅葉さん、今度は負けませんよ」  山南が笑顔で言う。 「山南さん」  紅葉は山南に駆け寄る。  が、その姿はすぐに消えてしまう。 「こんな時間に出歩いては物騒ですよ」  山崎が立っていた。  しかしその姿もすぐに消える。 「今日こそは朝まで飲むぞ」  振り返ると原田が笑っている。 「俺といい夢を見よう。紅葉さん」  藤堂の声がする。  紅葉の頬を涙が伝う。 「藤堂さん・・・・・・・」
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